Seven Summits ―7大陸最高峰を目指して―

7大陸最高峰「セブンサミッツ」は、
アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、オーストアリア、アフリカに
南極を加えたの7つの大陸で最も高い山のことで、
この7つをすべて登った登山家をセブンサミッターといいます。
テキサスの富豪デック・バスとその友人でワーナーブラザースの社長フランク・ウエルズが
その体験をまとめた本「Seven Summits」で
それぞれに特徴があり魅力的な登山の様子が伝えられ、
「セブンサミッツ」という言葉が一般的になり、世界中の登山家の憧れとなりました。
7大陸最高峰というとすべてがエベレストのような冒険的な山だと思われがちですが、
標高、難易度、地域性など、それぞれ特徴が違い、非常に変化に富んでいます。
もちろんセブンサミッツ完登を目指すのも大きな目標ですが、
この個性的な山々の中から自分にあった山にチャレンジしてみるのも
「自分だけの冒険」です。

※世界の大陸は、地質学上は6つとすることが一般的ですが、ユーラシア大陸を、アジア亜大陸とヨーロッパ亜大陸に分けて考えることができるため7大陸でカウントします。また、オーストラリア大陸は、大陸内のみで考えた場合の最高峰は「コジオスコ」ですが、簡単なハイキングで登れてしまうために、その周辺を含めたオセアニアエリアとして考え、「カールステンツ」を最高峰とする2通りの考え方があります。
セブンサミッツ セブンサミッツへのステップアップ 参考装備表

セブンサミッツ

地図内をクリックしていただくとそれぞれの山の登山ガイドページをご覧いただけます。

7summits_map エルブルース エベレスト デナリ キリマンジャロ カルステンツ コジオスコ アコンカグア ビンソン
一般登山ツアーコジオスコ(2,228m)
コジオスコ

オーストラリア大陸最高峰。 標高1,930mまでリフトがあり、ルートも整備されているので、特別な登山技術は不要です。標高差約300mの登りですので、普段山歩きをされている方なら雄大な眺めと高山植物を楽しみながらのハイキングで登頂が可能です。

技術度 体力度 ツアー日数 登山シーズン
1 1 7日間 11月下旬~4月上旬
コジオスコへのステップ
一般登山ツアーキリマンジャロ(5,895m)
キリマンジャロ

アフリカ大陸最高峰。 一般ルートはマラングルートで、3つの山小屋を使いながら4泊5日、または5泊6日で登ります。技術的には難しいところはなくハイキングの延長で登頂が可能ですが、短時間で6,000m近くまで登るのでしっかりとした基礎体力と高所順応がポイントです。

技術度 体力度 ツアー日数 登山シーズン
3 5 10〜14日間 6月下旬~10月上旬
キリマンジャロへのステップ
ライトエクスペディションエルブルース(5,642m)
エルブルース

ヨーロッパ大陸最高峰。 秀麗な双耳峰。5,000mを越えた高所でのアイゼン歩行を含む山岳登攀になりますが、ルートの大半が単純な雪上歩行のため、ルートを外れないよう注意すれば技術的に困難な個所はありません。また、5,000mエリアで標高差1,000mを登りますので、しっかりとした基礎体力が必要です。

技術度 体力度 ツアー日数 登山シーズン
3 5 10〜14日間 7月~9月
エルブルースへのステップ
ライトエクスペディションアコンカグア(6,959m)
アコンカグア 南米大陸最高峰。 7,000m近い標高のため、しっかりとした基礎体力と高所順応がポイント。登山技術としては斜度のあまりない雪稜で長時間のアイゼン歩行がスムーズにできれば問題ありません。テント生活が続きますので、ある程度、設営や食事準備などができる必要があります。

技術度 体力度 ツアー日数 登山シーズン
4 6 22日間 12月中旬~2月上旬
アコンカグア登山ガイドページへ  アコンカグアへのステップ
公募登山隊ビンソン(4,892m)
ビンソン

南極大陸最高峰。 約30度の雪稜登攀があり、フィックスロープをアッセンダー登る技術、自身で荷上げができる基礎体力が必要です。氷河セルフレスキューとソリ操作の技術も必須となります。また、気温差が激しく、低い時は-40℃近くまで下がることがありますので、超低温下での自己マネージメントも必要となります。

技術度 体力度 ツアー日数 登山シーズン
4+氷河 4+荷上 22日間 11月~1月下旬
ビンソンへのステップ
公募登山隊デナリ(6,194m)
デナリ

北米大陸最高峰。 標高に比べて気温、風、気圧などの条件が厳しく、ポーターもいないので、総合的な登山経験と体力が必要です。長時間のアイゼン歩行と35度程度のフィックスをアッセンダーで登れる技術、自身でソリを使い、40㎏程度の荷上げをするしっかりとした基礎体力と豊富な登山経験が必須となります。雪上でのテント生活が続きますので、設営や食事の準備等もある程度自分でできる必要があります。

技術度 体力度 ツアー日数 登山シーズン
5+氷河 5+荷上 25日間 5月上旬~6月下旬
デナリへのステップ
公募登山隊エベレスト(8,848m)
エベレスト

ついに世界最高峰のエベレストです。 FIXロープをアッセンダーを使いながら登りますので、技術的には雪稜、岩稜登攀の基本をマスターしていればチャレンジ可能です。しかし、高所や強風など過酷な条件下での登山となりますので、その中でも確実に基本動作ができるように十分な経験が必要です。キャンプでの設営、食事の準備等も、は基本的にスタッフが行いますが、ある程度自分でできる必要があります。

技術度 体力度 ツアー日数 登山シーズン
6 6 51日間 4月~6月上旬
エベレストへのステップ
公募登山隊・番外編カールステンツ・ピラミッド(4,884m)
カールステンツ

コジオスコ以外にもオセアニア最高峰にチャレンジ。秘境にあり入域が難しく、冒険要素の高い登山なので公募隊としています。ダブルユマールで通過する箇所など、難易度の高い岩登りの技術が必要です。

技術度 体力度 ツアー日数 登山シーズン
7 4 22日間 4月~11月
カールステンツへのステップ

セブンサミッツへのステップアップ

高所登山、遠征登山「私には無理だ」と諦めていませんか。
高所での雪稜や岩稜の登攀はもちろん簡単なものではありません。
しかし、山岳ガイドのサポートのもと、時間をかけてステップを踏みながら準備をすれば、決して叶わぬ夢ではありません。
AGでは参加者の体力、技術、日程、予算などにあわせ、「説明会」「装備の購入」「国内講習会」「現地ツアー」までをトータルにサポート。
雪山、岩登りの計景がない方も大歓迎です。
一緒に「自分だけの冒険」にチャレンジしましょう。

ビンソン
一歩一歩着実にステップを踏めば、セブンサミッターも夢ではありません。
コジオスコにチャレンジする前にステップ1「初めての山歩きから夏山登山まで」 夏山登山

初めて山歩きをする人が、装備の使い方、パッキング、フットワークなどの登山の基本をマスターして、足場の不安定なガレ場、ザレ場を経験。標高差800m程度の山を余裕を持って登れる体力をつけ、山に慣れながら、低山から標高2,000m程度の一般ルートを、余裕をもって歩けるようになるとクリアです。

【AGステップアップスクール対応講座】登山Ⅰ

コジスコにチャレンジ

コジオスコのあとはステップ2「日本アルプスの3,000m級クラス」 3000m級クラス

よりバランスが必要で、軽く手を使う岩場、鎖場、雪渓などを通過したり、雪の降ったすぐ後の低山、残雪期のアルプスなどでアイゼン歩行を経験。 標高差1,000mの程度の山を余裕を持って登り、山小屋に宿泊して連日登山できる体力が必要。本格的な岩稜が含まれない北アルプスなどの3,000m級の山に余裕を持って登れるとクリアです。

【AGステップアップスクール対応講座】登山Ⅱ

キリマンジャロにチャレンジする前にステップ3「4,000mを超える高所登山」 3000m級クラス

セブンサミッツは高所登山がほとんどです。4,000mを越えると顕著に高度の影響ができてきます。高所登山特有の登り方をマスターしなければ、いくら体力があっても登ることができません。実際に富士山などに登りながら、ペース配分、休憩の取り方、水分・エネルギー補給など、高所順応の効率よい方法をマスター。特に高所での呼吸法を覚えると歴然と高所順応がしやすくなります。

【AGステップアップスクール対応講座】

4,000m峰にチャレンジ 4000m峰

キナバル、ウイルへルムなど、4,000m峰を経験しておくと、高所での体調の変化を経験できるので、スムーズにキリマンジャロにチャレンジできます。

4,000m峰ツアー

エルブルースにチャレンジする前にステップ4「雪山登山」 雪山登山

キックステップ、アイゼン歩行、ロープを繋いでの歩行、雪山を快適・安全に歩くためのウエアーなど、装備の知識をマスター。雪に慣れて、アイゼンを引っ掛けないようにバランスよく歩けるようになったら、尾根筋や傾斜のある斜面などバランスが必要な場面でアイゼン歩行を経験。ガイド登山で積雪期の八ヶ岳・赤岳の地蔵尾根が登れるようになるとクリアです。  

【AGステップアップスクール対応講座】 雪山登山Ⅱ

アコンカグアにチャレンジする前にステップ5「岩登り入門」 岩登り講習会

クライミングジムやアウトドアのゲレンデなどで、三点確保の基本を理解し、しっかりとしたホールドのあるルートを登ることができるレベル。また、ロープで確保された安心感の中で、足がすくまないように高度感に慣れること。たとえば、各ゲレンデの初級ルートや、槍ヶ岳の穂先などをスムースに登れるようになるとクリアです。 

【AGステップアップスクール対応講座】岩登り講習会

6,000m峰にチャレンジ 6000m峰

アコンカグアの標高はほぼ7,000mありますので、メラピーク、アイランドピークなど6,000m前半の高所順応と遠征登山の経験があるとスムーズにチャレンジできます。

6,000m峰ツアー

ビンソンのあとはステップ6「剣岳、キレットなど北ア岩稜ルート」 北ア岩稜ルート

北アルプスの岩稜を含む3,000m級縦走登攀。剣岳、西穂から奥穂のジャンダルム、キレットなど高度感のある岩場をスムーズに登攀できる。また、ヨーロッパアルプスのスケール感に対応するために、ゲレンデやクライミングジムで、簡単なルートを腕力で強引に登るのではなく、バランスよく、力を掛けずにスムーズに登ることができればクリアです。

【AGステップアップスクール対応講座】登山Ⅲ

デナリにチャレンジする前にステップ7「岩と雪のミックス」 雪岩ミックスルート

ステップ6をクリアした人の次のステップは、岩と雪のミックスルート。よりバランスが必要で総合的な登攀力が求められます。残雪期の剣岳や冬季八ヶ岳バリエーションルートを想定。岩と雪、場合によっては氷のルートを登攀するためにピッケル、アイゼン、そして手袋を使用した登攀で、総合的な技術、体力、スピードが求められます。

【AGステップアップスクール対応講座】雪岩ミックスルート

8,000m峰にチャレンジ 8000m峰

マナスル、チョー・オユーなど、8,000m峰にチャレンジ。 エベレスト公募登山隊に参加するためには、8,000m峰の登山経験が必要です。

公募登山隊

参考装備表

A:コジオスコ B:キリマンジャロ C:エルブルース D:アコンカグア E:ビンソン F:デナリ G:エベレスト H:カールステンツ

品名 数量 A B C D E F G H 備考
ハイキングシューズ1足ハイカットで防水・透湿性能のあるもの。
登山靴 シングル1足岩登りのしやすい靴。アイゼンが装着可能なもの。
登山靴 ダブル1足雪稜歩きに適した靴。二重靴が保温力が高く良い。
高所登山靴1足保温力の高いオーバーシューズ一体型のものが便利。
大型バッグ1個スーツケース等。日本出発時の個装梱包用。
ポーター用バッグ1個ダッフルバッグ型が便利。70〜80L程度。
ザック(30〜40L)1個アタック時の装備がすべて入る大きさ。
アイゼン(10〜12本爪)1組縦走用等の用途の広いもので、アンチスノー付。
ピッケル1本55〜65cm程の縦走用。シンプルで軽量なもの。
ストック(2本組)1本アプローチ、雪稜歩行、高所のバランス保持に有効。
ヘルメット1個山岳登攀用。軽量で温かい帽子の上から被れるもの。
安全ベルト、ハーネス1本軽量で防寒ウェアの上から装着できるもの。
カラビナ適数安全環付きカラビナが必要になります。
スリング適数レスト時など、セルフビレイを取る時に利用します。
アッセンダー(ユマール)1組急斜面、セラック帯のフィックスロープに使用。
レインウェア1組防水・透湿性能の高いレインスーツ。
アウターシェル(一番外側のウェア)1組オーバージャケット・パンツ。急な降雨には雨具、高所では防寒・防風着として使用できるもの。
ミッドレイヤー(中間着)1組薄・厚手のフリース、ウール・化繊系シャツ・ズボン等の組み合わせで、色々な温度に対応できるように。
ファーストレイヤー(下着)1組ポリエステル系素材のロングスリーブ・タイツが便利。吸水速乾性と動きやすさを両立したもの。
高所用ダウン上・下1組脱ぎ着が便利で、保温性の高いもの。
ダウンジャケット・パンツ1組薄手のインナータイプ。キャンプ滞在時にも便利。
靴下適数パイル状で保温性、クッション性に優れているもの。
薄手の手袋1組天候の良い時の手の保護に。岩稜は皮のもの。
厚手の手袋1組気温−20℃まで耐えられるもの。
オーバーグローブ1組厚手の手袋の上に装着できるもの。ミトンタイプが良い。
サングラス1個雪上は非常に雪の反射が強いので、目の保護のために必要。
ゴーグル1個吹雪の時、強風時に必ず必要。
帽子(日よけ用)適数つばの広いハットタイプのもの。
帽子(防寒用)適数保温性が高く、耳を覆えるタイプのもの。
ヘッドランプ1個使用時間の長いもの。予備電池も忘れずに。
水筒1個1L程で携帯性の高いもの。ハイドレーションも可。
テルモス(サーモス)1個高所など行動中や夜間に温かい飲み物が飲める。
寝袋(厳冬期)1個厳冬期用。スリーシーズンをダブルでの使用も可能。
寝袋(スリーシーズン)1個伸縮性があり、出入りがしやすいものが便利。
マット1個ウレタンマット、エアーマットの両方可。